Incontinence-associated dermatitis: moving prevention forward – Japanese

13 February 2015

“失禁関連皮膚炎(Incontinence Associated Dermatitis: IAD)は、世界中で健康上の大きな問題となっており、褥瘡を発生させる危険因子であることが広く認められている1。最近行われたコンセンサス調査では、現在の我々の知識と実践との間にはギャップがあることが示されている2。標準化された定義や用語、質の高い研究、および国際的または国内的なガイドラインの欠如から、医療従事者が根拠に基づいた医療を実践することが妨げられている。
2014年9月、IADに関してどのような知識が不足しているかを検討し、ギャップを埋めるためのベストプラクティス原則を推進するため、世界各国の専門家グループによる会合がロンドンで開催された。主な議題は、IADに関するリスク評価、褥瘡の発生におけるIADの関与、およびIADの重症度に基づく治療方法などであった。本書は、重要な討論内容およびこの会合の成果について解説している。この会合後、草稿が作成され、専門家作業部会による集中的な検討が行われた。さらに、広範囲にわたる専門家グループによる検討が行われた。
本書に記載されている情報は、現場で患者の治療を行っている医療従事者に対し、エビデンスおよび専門家の意見に基づいたIADの評価、予防および管理の方法に関する実践的なガイダンスを提供している。臨床現場の指導的立場にある職員にとっては、体系的な予防プログラムを作成する際の情報に加え、医療施設内でのIADの予防を促進するための段階的指針となるであろう。
本専門家委員会は、本書がIADの予防のための効果的なスキンケア戦略の推進に役立ち、患者のクオリティ・オブ・ライフと臨床結果の向上に寄与することを期待している。また、本書が、IADに関する正確な標準化されたデータ収集および根拠を提示する質の高い研究を推進することが必要であるとの認識を高める役割を果たすことも期待している。”

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